赤ちゃんの日焼け止めの選び方ガイド|SPF・PA・成分の読み方から年齢別おすすめまで
この記事の目次
- まず知っておきたい結論
- なぜ子どもに紫外線対策が重要なのか
- 子どもの肌と紫外線の関係
- 小児期の紫外線曝露がもたらすリスク
- 紫外線の種類を知る
- SPFとPAの読み方
- SPF(Sun Protection Factor)
- PA(Protection Grade of UVA)
- 子どもの日焼け止めに最適なSPF・PA
- 日焼け止めの成分を理解する
- 紫外線吸収剤(ケミカルフィルター)
- 紫外線散乱剤(ノンケミカルフィルター・物理フィルター)
- 子どもにはどちらを選ぶべきか
- 成分表示のチェックポイント
- 年齢別の紫外線対策と日焼け止めの選び方
- 新生児~生後6か月未満
- 生後6か月~1歳
- 1歳~3歳
- 3歳以上の幼児・学童
- 日焼け止めの正しい塗り方
- 基本の塗り方
- 塗る際の注意点
- 塗り直しのコツ
- 日焼け止めの正しい落とし方
- お湯・石けんで落とせるタイプの場合
- ウォータープルーフタイプの場合
- 日焼け止め以外の紫外線対策
- 衣類による対策
- 時間帯と環境の管理
- サングラス・帽子での目の保護
- ビタミンDとのバランス
- 日焼け止め選びの比較ポイント
- テクスチャー(剤型)の選び方
- 小児科医が選ぶ シーン別おすすめ日焼け止め3選
- よくある質問
- Q1: 赤ちゃんに日焼け止めを塗ったら赤くなってしまいました。どうすればいいですか?
- Q2: 曇りの日や冬でも日焼け止めは必要ですか?
- Q3: スプレータイプの日焼け止めは赤ちゃんに使っても大丈夫ですか?
- Q4: 虫除けと日焼け止めは同時に使えますか?
- まとめ
- 参考文献
「赤ちゃんに日焼け止めを塗ってもいいの?」「SPFやPAの数値はどれくらいを選べばいい?」「紫外線吸収剤って赤ちゃんには良くないの?」――紫外線が気になる季節になると、こうした疑問を持つ保護者の方が増えてきます。
子どもの肌は大人と比べて薄くデリケートであり、紫外線の影響を受けやすい状態にあります。近年では、小児期の過度な紫外線曝露が将来の皮膚トラブルのリスクを高める可能性が指摘されており、子どもの紫外線対策の重要性はますます認識されるようになってきました。
しかし、ドラッグストアやベビー用品店に並ぶ日焼け止めの種類は非常に多く、何を基準に選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、小児科専門医・アレルギー専門医の立場から、赤ちゃんや子どもの紫外線対策の重要性、日焼け止めの選び方のポイント、そして正しい塗り方と落とし方までを詳しく解説します。
まず知っておきたい結論
最初に、保護者の方にお伝えしたい重要なポイントをまとめます。
- 👶 生後6か月未満の赤ちゃんは、日焼け止めよりも物理的な紫外線対策(帽子・日除け・衣服・日陰の利用)を優先することが推奨されています
- 📅 生後6か月以降は、露出部に日焼け止めを塗る紫外線対策が可能です
- ✅ 日常の外出であればSPF15~30・PA++程度で十分であり、高SPF値を追い求める必要はありません
- 🧴 赤ちゃんや子どもには紫外線散乱剤(ノンケミカル)タイプの日焼け止めが比較的肌にやさしいと考えられています
- 💡 日焼け止めだけに頼らず、帽子・衣服・日陰の利用など複数の対策を組み合わせることが効果的です
- ☝️ 塗った日焼け止めは入浴時にしっかり落とすことも大切です
先に結論:迷ったらこの3つ
| 用途 | おすすめ商品 |
|---|---|
| 毎日の お散歩 | 和光堂ミルふわ お散歩用 SPF21/PA++ · 30g · ¥486 |
| 公園・ 外出 | ALOBABY ウォータープルーフUVミルク SPF35/PA+++ · 60g · ¥2,640 |
| 海・プール・ 運動会 | ピジョン UVベビーミルク ウォータープルーフ SPF50+/PA++++ · 50g · ¥1,490 |
3製品ともノンケミカル・0か月から使用可。各製品の詳細と全12製品の比較は子どもの日焼け止め比較ガイドで解説しています。
↓ なぜこれらが選ばれるのか、医学的背景から解説します
なぜ子どもに紫外線対策が重要なのか
子どもの肌と紫外線の関係
子どもの皮膚は大人と比べて以下のような特徴があり、紫外線の影響を受けやすい状態にあります。
- 角層が薄い: 紫外線が皮膚の深い層まで到達しやすい
- メラニン色素の産生が少ない: 紫外線を吸収して肌を守るメラニンの量が大人より少ないため、日焼けしやすい
- 細胞分裂が活発: 紫外線によるDNA損傷の影響を受けやすい時期と考えられている
小児期の紫外線曝露がもたらすリスク
環境省の「紫外線環境保健マニュアル2020」では、小児期からの紫外線対策の重要性が強調されています1。
📋 エビデンス
子どもは大人に比べて紫外線の影響を受けやすく、生涯にわたる紫外線曝露量の大部分が18歳までに蓄積されるとの報告があります。小児期からの適切な紫外線対策が重要です。
出典: 環境省 紫外線環境保健マニュアル2020 ↗紫外線の過度な曝露に関連するリスクとしては、以下のようなものが挙げられています。
- 急性の日焼け(サンバーン): 赤み・痛み・水ぶくれなどの炎症。子どもは痛みを訴えられないこともあり、重症化しやすい
- 皮膚の光老化: 将来的なシミ・シワの原因となる。紫外線による肌ダメージは蓄積性
- 免疫機能への影響: 紫外線は皮膚の免疫機能を一時的に低下させる可能性があることが報告されている
- 眼への影響: 角膜炎や将来的な白内障のリスク因子となりうる
- 皮膚がんのリスク: 小児期の紫外線曝露量が将来の皮膚がんリスクに関与するとの疫学研究がある
ただし、紫外線は骨の形成に不可欠なビタミンDの産生に必要でもあります。完全に避けるのではなく、適切に管理するというバランスの取れたアプローチが大切です。
紫外線の種類を知る
地表に届く紫外線には、主にUVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)の2種類があります。それぞれの特性を理解しておくと、日焼け止め選びの参考になります。
| 種類 | 波長 | 特徴 | 肌への影響 |
|---|---|---|---|
| UVA | 315~400nm | 雲や窓ガラスも通過する。地表に届く紫外線の約95% | 肌の深い層(真皮)まで到達し、光老化の主な原因に。即時的な黒化(日焼け後の肌の黒さ)に関与 |
| UVB | 280~315nm | エネルギーが強い。地表に届く紫外線の約5% | 表皮に強い炎症を起こす(サンバーン)。DNA損傷の主な原因。ビタミンD産生にも関与 |
日焼け止めの「SPF」はUVBを、「PA」はUVAをどの程度防御できるかの指標です。
SPFとPAの読み方
日焼け止めのパッケージに記載されている「SPF」と「PA」は、紫外線防御効果を示す指標ですが、その意味を正しく理解されている方は意外と少ないかもしれません。
SPF(Sun Protection Factor)
SPFは、UVBによるサンバーン(赤くなる日焼け)をどのくらい遅延させるかを示す指標です。
- SPF15:何も塗らない場合と比較して、サンバーンが起こるまでの時間を約15倍に延長する
- SPF30:同様に約30倍に延長する
- SPF50+:約50倍以上
重要なポイント: SPFの数値は「効果の強さ」というよりも「効果の持続時間」を示しています。また、SPFの数値と紫外線カット率は比例関係ではありません。
| SPF | UVBカット率(理論値) |
|---|---|
| SPF15 | 約93.3% |
| SPF30 | 約96.7% |
| SPF50 | 約98.0% |
このように、SPF15でもUVBの約93%をカットでき、SPF30とSPF50の差は理論上わずか1.3%です。日常使いであれば、高いSPF値を追い求める必要はありません。
PA(Protection Grade of UVA)
PAは、UVAによる即時型の皮膚黒化をどの程度防御するかを示す指標です。日本独自の基準であり、「+」の数で表記されます。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| PA+ | UVA防御効果がある |
| PA++ | UVA防御効果がかなりある |
| PA+++ | UVA防御効果が非常にある |
| PA++++ | UVA防御効果が極めて高い |
子どもの日常使いとしては、PA++~PA+++ 程度で十分な紫外線防御が期待できます。
子どもの日焼け止めに最適なSPF・PA
使用シーンに応じたSPF・PAの目安を以下にまとめます。
| 使用シーン | 推奨SPF | 推奨PA |
|---|---|---|
| 日常の散歩・買い物 | SPF15~20 | PA++程度 |
| 公園遊び・外出 | SPF20~30 | PA++~PA+++ |
| 海・プール・長時間の屋外活動 | SPF30~50 | PA+++~PA++++ |
日常的な使用ではSPF15~30・PA++程度が推奨されます。SPF値が高いほど成分の配合量も多くなる傾向があり、肌への負担が増える場合もあるため、必要以上に高いSPF値を選ぶメリットは少ないと考えられます。
日焼け止めの成分を理解する
日焼け止めの主要成分は、紫外線を防御するメカニズムの違いによって大きく2つに分類されます。子どもの肌に合った日焼け止めを選ぶためには、この違いを理解しておくことが大切です。
紫外線吸収剤(ケミカルフィルター)
仕組み: 化学的な反応で紫外線のエネルギーを吸収し、熱などに変換して放出する
代表的な成分:
- メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(オクチノキサート)
- t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)
- オクトクリレン
- ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
メリット:
- 塗り心地がよく、白浮きしにくい
- 高いSPF値を達成しやすい
- テクスチャーが軽く、ベタつきが少ない
デメリット:
- 化学反応に伴い、肌に刺激を感じる人がいる
- 赤ちゃんや敏感肌のお子さんにはやや刺激となる場合がある
- 時間の経過とともに分解され、効果が低下しやすい
紫外線散乱剤(ノンケミカルフィルター・物理フィルター)
仕組み: 微粒子が皮膚表面で紫外線を物理的に反射・散乱させて防御する
代表的な成分:
- 酸化亜鉛(Zinc Oxide)
- 酸化チタン(Titanium Dioxide)
メリット:
- 化学反応を起こさないため、肌への刺激が比較的少ない
- アレルギー反応のリスクが低い
- 幅広い波長の紫外線(UVA・UVB両方)を防御できる
デメリット:
- 白浮きしやすい(近年はナノ粒子化により改善されている製品も多い)
- テクスチャーがやや重く、ベタつきを感じることがある
- 汗や水で落ちやすい場合がある
子どもにはどちらを選ぶべきか
結論としては、赤ちゃんや小さなお子さんには「紫外線散乱剤(ノンケミカル)」タイプの日焼け止めが比較的安心して使えると考えられています。
紫外線散乱剤は皮膚の上で物理的に紫外線を反射するだけなので、化学反応による刺激が起こりにくく、敏感な赤ちゃんの肌にも使いやすいとされています。
ただし、「紫外線吸収剤=悪い」というわけではありません。近年の紫外線吸収剤はカプセル化技術などにより肌への直接的な接触を減らした製品も多く、必ずしも肌トラブルを起こすとは限りません。お子さんの肌質に合わせて選択することが大切です。
成分表示のチェックポイント
日焼け止めを選ぶ際に、パッケージの成分表示で確認したいポイントを整理します。
選びたいもの:
- 紫外線散乱剤(酸化亜鉛、酸化チタン)が主成分であること
- 「ノンケミカル」「紫外線吸収剤フリー」「紫外線吸収剤不使用」の表記
- 無香料・無着色
- パラベンフリーまたは防腐剤が少ないもの
- パッチテスト済み・アレルギーテスト済みの表記
注意したいもの:
- エタノール(アルコール)が高配合のもの → 肌を乾燥させやすい
- 強い香料が含まれるもの → アレルギーの原因になりうる
- 高SPF値(SPF50+)を謳うもの → 日常使いではオーバースペックで肌負担が増えうる
年齢別の紫外線対策と日焼け止めの選び方
子どもの紫外線対策は、月齢・年齢に応じてアプローチが異なります。ここでは年齢別の対策方法を詳しく解説します。
新生児~生後6か月未満
基本方針: 日焼け止めの使用は推奨されておらず、物理的な紫外線回避を徹底する
この時期の赤ちゃんは皮膚のバリア機能が特に未熟であり、日焼け止めの成分自体が肌への負担となる可能性があります。環境省のマニュアルでも、この時期は日焼け止めよりも物理的な対策が推奨されています1。
具体的な対策:
- 紫外線が強い時間帯(10時~14時ごろ)の外出をできるだけ避ける
- 外出時はベビーカーの日除けやサンシェードを活用する
- つばの広い帽子をかぶせる
- 長袖・長ズボンの薄手の衣類で肌の露出を減らす
- 日陰を選んで移動・休憩する
- 車内でもUVカットフィルムやサンシェードを使用する
生後6か月~1歳
基本方針: 物理的な対策を基本としつつ、露出部に日焼け止めを使用可能
この時期から、衣類や帽子で覆えない露出部(顔・手の甲など)に日焼け止めを塗ることが推奨されるようになります。
日焼け止めの選び方:
- 紫外線散乱剤(ノンケミカル)タイプを基本に選ぶ
- SPF15~20・PA++程度で十分
- 「ベビー用」「低刺激」「0歳から使える」と明記されている製品を選ぶ
- 無香料・無着色・アルコールフリーのもの
- ローションタイプまたはクリームタイプが塗りやすい
- お湯や石けんで落とせるタイプが便利
塗り方のポイント:
- 外出の15~20分前に塗る(肌になじませる時間を確保)
- 顔・耳・首の後ろ・手の甲など露出部に忘れずに塗る
- 2~3時間おきに塗り直す
- 汗をかいた後やタオルで拭いた後も塗り直す
1歳~3歳
基本方針: 日焼け止めの使用に加え、物理的対策を継続
行動範囲が広がり、公園遊びや外出の機会が増える時期です。日焼け止めと物理的対策を組み合わせた総合的な紫外線対策が重要になります。
日焼け止めの選び方:
- SPF20~30・PA++~PA+++程度
- 引き続きノンケミカルタイプが安心
- 伸びがよく塗りやすいものを選ぶ(お子さんが嫌がらない使用感が大切)
- ウォータープルーフタイプは水遊びの際に便利だが、落としにくい点に注意
- スティックタイプやスプレータイプは塗り直しに便利
この時期ならではの注意点:
- 砂遊びや泥遊びで日焼け止めが取れやすい → こまめな塗り直しを
- 帽子を嫌がるお子さんもいるが、UVカット素材のラッシュガードなど着やすいアイテムを活用する
- 水遊びの際は耐水性のある日焼け止めを選ぶ
3歳以上の幼児・学童
基本方針: 自分でも塗れるように練習しつつ、親がチェック
幼稚園・保育園での屋外活動も増える時期です。日焼け止めの使用習慣を身につけ始める良いタイミングでもあります。
日焼け止めの選び方:
- SPF20~30・PA++~PA+++を基本に、屋外活動の強度に合わせて選択
- 長時間の水遊びやスポーツにはSPF30~50の耐水性タイプも検討
- 「子ども用」と明記された製品が成分的にも使い心地の面でも適している
園・学校での対策:
- 登園・登校前に日焼け止めを塗る習慣をつける
- 塗り直し用にスティックタイプやポンプタイプを持たせると便利
- 帽子の着用を徹底する
- UVカット素材の体操服やラッシュガードの活用
日焼け止めの正しい塗り方
日焼け止めの効果は、塗り方によって大きく変わります。せっかくの日焼け止めも、量が少なかったり塗りムラがあったりすると、期待される効果が発揮されません。
基本の塗り方
顔に塗る場合:
- 手のひらに日焼け止めを適量取る(クリームタイプならパール粒大2個分が目安)
- 額・両頬・鼻・あごの5か所に置く
- 内側から外側に向かってやさしく伸ばす
- ムラなく均一に塗り広げたら、もう一度同量を重ね塗りする
体に塗る場合:
- 腕や脚に直接ストライプ状に出す
- 手のひらでやさしく大きな円を描くように塗り広げる
- 首の後ろ・耳・足の甲など忘れがちな部位にもしっかり塗る
塗る際の注意点
- 量が少なすぎると効果が大幅に低下する: SPFの測定は1cm²あたり2mgの塗布量で行われていますが、実際にはその半分以下しか塗っていないケースが多いとされています。「やや多いかな」と感じるくらいの量を塗ることが大切です
- 塗りムラに注意: 耳・首の後ろ・こめかみ・髪の生え際・手の甲・足の甲は塗り忘れが多い部位です
- こまめに塗り直す: 2~3時間おき、または汗をかいた後・タオルで拭いた後に塗り直す
塗り直しのコツ
小さなお子さんに何度も日焼け止めを塗り直すのは大変です。以下のような工夫で、塗り直しの負担を減らすことができます。
- スティックタイプ: 手を汚さずにサッと塗れる。外出先での塗り直しに便利
- ポンプタイプ: 片手で適量が出せるので、赤ちゃんを抱えながらでも使いやすい
- ミストタイプ: スプレーで手軽に塗り直せるが、吸い込みに注意。屋外で使用し、顔には手に出してから塗る
日焼け止めの正しい落とし方
日焼け止めを塗ったままにしておくと、毛穴の詰まりや肌荒れの原因になることがあります。帰宅後は適切に落とすことも、スキンケアの重要なステップです。
お湯・石けんで落とせるタイプの場合
ベビー用の日焼け止めに多いタイプです。
- ぬるま湯(38~39℃)で全体を流す
- ベビーソープを泡立て、日焼け止めを塗った部位をやさしく洗う
- しっかりすすいで石けん成分を残さない
- タオルでやさしく押さえ拭きする
- 入浴後は保湿剤でスキンケアを行う
ウォータープルーフタイプの場合
耐水性が高い分、通常の石けんだけでは落としきれない場合があります。
- ベビー用のクレンジング剤やクレンジングオイルを使う
- やさしくなじませてから、ぬるま湯で洗い流す
- その後、通常どおりベビーソープで洗う
- 保湿ケアを忘れずに行う
ポイント: ウォータープルーフタイプは落とすのに手間がかかるため、日常使いにはお湯や石けんで落とせるタイプを選ぶ方が、トータルでの肌への負担は少ないと考えられます。ウォータープルーフは海やプールなど、耐水性が求められるシーンに限定して使うのが合理的です。
日焼け止め以外の紫外線対策
日焼け止めは紫外線対策の重要なツールですが、それだけに頼るのではなく、複数の対策を組み合わせることで、より効果的な紫外線防御が可能になります。
衣類による対策
- 帽子: つばの広い帽子(7cm以上のつば)で顔・首・耳への紫外線を大幅にカットできる。首の後ろまで覆うたれ付きの帽子が効果的
- 長袖・長ズボン: 薄手で通気性の良い素材を選べば、暑い季節でも着用可能。UVカット加工された衣類はさらに効果が高い
- ラッシュガード: 水遊びの際に着用することで、広範囲の紫外線防御が可能。UPF(衣類の紫外線防御指数)50+のものがおすすめ
- 色の選択: 一般的に、濃い色の方が紫外線を通しにくい。ただし、暑さ対策とのバランスも考慮する
時間帯と環境の管理
- 10時~14時ごろの外出を避ける: この時間帯は紫外線量が最も多い
- 日陰を活用する: 木陰やパラソルの下で過ごす時間を増やす
- 紫外線の反射に注意: 砂浜・水面・コンクリートは紫外線を反射するため、直射日光を避けていても紫外線を浴びている場合がある
サングラス・帽子での目の保護
子どもの目も紫外線の影響を受けます。UV400またはUVカット率99%以上のサングラスの使用を検討してもよいでしょう。帽子のつばでも目への紫外線をある程度軽減できます。
ビタミンDとのバランス
紫外線はビタミンDの体内合成に必要であるため、過度な紫外線回避はビタミンD不足のリスクを高める可能性があります。
📋 エビデンス
適度な紫外線曝露は骨の健康に必要なビタミンDの産生に不可欠です。過度な紫外線回避はビタミンD欠乏のリスクとなりうるため、適切なバランスが求められます。
出典: 環境省 紫外線環境保健マニュアル2020 ↗日本の一般的な生活環境では、日常的に短時間の屋外活動を行っていれば、ビタミンDが不足する可能性は低いと考えられています。ただし、極端に日光を避けている場合や、食事からのビタミンD摂取が少ない場合は、かかりつけ医に相談してみてください。
日焼け止め選びの比較ポイント
日焼け止めを選ぶ際に比較したいポイントを整理します。
| 比較項目 | ノンケミカル(散乱剤)タイプ | ケミカル(吸収剤)タイプ |
|---|---|---|
| 肌への刺激 | 比較的少ない | やや刺激を感じる場合がある |
| 白浮き | しやすい(改善製品も増加) | しにくい |
| 塗り心地 | やや重め | 軽くてサラサラ |
| 耐水性 | 製品による | 比較的高い傾向 |
| UVA/UVB | 両方に対応 | 成分により片方に偏る場合も |
| 赤ちゃんへの適性 | 高い | やや注意が必要 |
| 落としやすさ | 石けんで落ちやすい製品が多い | ウォータープルーフは落としにくい |
| コスト | やや高め | 幅広い |
テクスチャー(剤型)の選び方
| 剤型 | 特徴 | おすすめの使用シーン |
|---|---|---|
| ローション | 伸びがよく広範囲に塗りやすい。ベタつきが少ない | 全身への使用、日常使い |
| クリーム | 保湿力がある。密着性が高い | 乾燥肌のお子さん、顔への使用 |
| ミルク | ローションとクリームの中間的な使用感 | オールマイティに使える |
| ジェル | さっぱりした使用感で塗りやすい | 暑い季節、ベタつきが苦手なお子さんに |
| スティック | 手を汚さず塗れる。塗り直しに便利 | 外出先での塗り直し用 |
| スプレー | 広範囲にサッと塗布できる | 塗り直し用の補助。吸入注意 |
小児科医が選ぶ シーン別おすすめ日焼け止め3選
ここまで解説した選び方のポイントを踏まえ、日常・お出かけ・レジャーの3シーンに合わせたおすすめ製品を紹介します。いずれも紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)で、0か月から使用できる製品です。


よくある質問
Q1: 赤ちゃんに日焼け止めを塗ったら赤くなってしまいました。どうすればいいですか?
まず、その日焼け止めの使用を中止してください。赤ちゃんの肌は個人差が大きく、「低刺激」と表記されている製品でも合わない場合があります。新しい日焼け止めを試す際は、使用前に腕の内側など目立たない部分に少量塗って24時間程度様子を見る(パッチテスト)ことをおすすめします。赤みが続く場合やかゆみ・腫れがある場合は、かかりつけの小児科医や皮膚科医を受診しましょう。別の成分組成の製品に変更することで、問題なく使用できるケースも多いです。
Q2: 曇りの日や冬でも日焼け止めは必要ですか?
紫外線は晴れの日だけでなく、曇りの日でも晴天時の60~80%程度の紫外線が地表に到達するとされています1。また、冬場でも紫外線量はゼロにはならず、特にスキー場などの雪面では紫外線の反射が強くなります。長時間の屋外活動が予定されている場合は、季節や天候に関わらず紫外線対策を行うことが望ましいです。ただし、冬場の短時間の外出であれば、帽子や衣類の対策だけでも十分なケースが多いでしょう。
Q3: スプレータイプの日焼け止めは赤ちゃんに使っても大丈夫ですか?
スプレータイプは手軽で塗り直しに便利ですが、赤ちゃんの顔に直接スプレーすることは避けてください。吸い込んでしまうリスクがあるためです。使用する場合は、大人の手のひらにスプレーしてから、その手で赤ちゃんの肌にやさしく塗り広げる方法が安全です。体への使用も、できるだけ屋外の換気が良い場所で行い、赤ちゃんの口や鼻の近くでスプレーしないよう注意しましょう。基本的には、乳児期はクリームやローションタイプの方が安全に使用しやすいと考えられます。
Q4: 虫除けと日焼け止めは同時に使えますか?
同時に使用すること自体は可能ですが、塗る順番が大切です。まず日焼け止めを先に塗り、肌になじんだ後に虫除けを上から塗るのが一般的に推奨されています。日焼け止めと虫除けが一体になった製品も市販されていますが、それぞれの塗り直しのタイミングが異なる(日焼け止めは2~3時間おき、虫除けは製品による)ため、別々の製品を使い分ける方がコントロールしやすい面もあります。なお、ディート含有の虫除けはSPF値を下げる可能性が指摘されており、併用する場合は日焼け止めの塗り直しをこまめに行うのがよいでしょう。
まとめ
赤ちゃん・子どもの日焼け止めの選び方について、この記事のポイントを振り返ります。
- 👶 生後6か月未満は物理的な紫外線対策を優先し、6か月以降から日焼け止めの使用が可能 ―― 帽子・衣服・日陰の利用は全年齢で基本の対策です
- ✅ 日常使いはSPF15~30・PA++程度で十分 ―― 高すぎるSPF値は肌への負担が増えるだけでメリットが少ない場合があります
- 🧴 赤ちゃんには紫外線散乱剤(ノンケミカル)タイプが比較的安心 ―― 無香料・無着色・アルコールフリーの製品を選びましょう
- ☝️ 塗る量と塗り直しが効果を左右する ―― 「やや多め」の量を2~3時間おきに塗り直すことが大切です
- 💡 日焼け止めだけに頼らず、複数の対策を組み合わせる ―― 帽子・衣服・時間帯の管理と日焼け止めを併用するのが効果的です
- 🛁 帰宅後は日焼け止めをしっかり落とし、保湿ケアを行う ―― 日焼け止めを落とさずに放置すると肌トラブルの原因になりえます
紫外線は子どもの肌に対して長期的な影響を及ぼす可能性がある一方で、ビタミンDの生成に必要な側面もあります。「完全に避ける」のではなく、「適切にコントロールする」という視点で、お子さんの年齢や活動内容に合わせた紫外線対策を実践していただければと思います。
この記事も読まれています
赤ちゃんの日焼け止めはいつから使える?月齢別の紫外線対策
→ 6か月未満の物理的対策・使い始めのパッチテスト
子どもの日焼け止めSPFはいくつを選ぶ?シーン別の目安
→ 日常はSPF15〜30・海プールはSPF50+の理由
紫外線吸収剤と散乱剤の違いを小児科医が解説
→ なぜノンケミカルが推奨されるのか成分レベルで説明
アトピー・敏感肌の子どもの日焼け止め選び
→ ノンケミカル必須・パッチテスト48時間の理由
子どもの日焼け止めの落とし方|石けんで落ちる?
→ タイプ別の落とし方・ゴシゴシ擦らない洗浄法
日焼け止め+虫除けの兼用は本当に効く?
→ 別々に使う順番・イカリジンとDEETの安全性
保育園・幼稚園での日焼け対策|持参のルールと選び方
→ 施設への依頼方法・子どもが自分で塗る練習
海・プール・運動会の子どもの日焼け対策
→ SPF50+が必要な理由・塗り直しのタイミング
医師確認済み
ラボの小児科医(小児科専門医・アレルギー専門医)が「全文」を確認 (2026/4/27)
参考文献
-
環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」 https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf ↩ ↩2 ↩3
医師確認済み
ラボの小児科医(日本小児科学会 小児科専門医・日本アレルギー学会 アレルギー専門医)が「全文」を確認 (2026/4/27)
関連記事

紫外線吸収剤と散乱剤の違いを小児科医が解説|子どもへの安全性と選び方
紫外線吸収剤(ケミカル)と散乱剤(ノンケミカル)の違い、子どもへの安全性について小児科専門医が解説。なぜ赤ちゃんにはノンケミカルが推奨される…

保育園・幼稚園での日焼け対策|日焼け止め持参のルールと選び方
保育園・幼稚園での日焼け止め持参・使用について小児科専門医が解説。施設への確認方法、持参する際の注意点、子どもが自分で塗れるようにする方法、…

発達グレーゾーンと療育 — 診断がなくても受けられる、診断前から動ける話
「診断が出るまで療育は受けられない」は誤解です。通所受給者証は医師の意見書で取得でき、診断名は必須ではありません。小児科専門医が、診断待ちで…
ラボの小児科医
小児科専門医・アレルギー専門医
専門領域
「日々の外来で保護者から寄せられる疑問をもとに、ガイドラインと実臨床の両面から解説しています。」
小児科専門医・アレルギー専門医。二児の父。診療ガイドラインと論文に基づく医療解説と、親として本当に使ってよかった用品レビューを発信。
当サイトはアフィリエイト広告を掲載しています。詳しくは広告についてをご覧ください。
