子どもの虫刺され対処法|蚊・ハチ・毛虫の応急処置と感染防止を小児科医が解説
この記事の目次
この記事のポイント
- 蚊に刺された場合の基本対応は「かかない+ステロイド外用薬で炎症を抑える」
- ハチに刺されたら刺し口を絞り出し流水で洗浄。過去にアレルギー反応がある場合は刺された直後に119番
- 毛虫は「触れない」が鉄則。触れた場合は水洗い→粘着テープで毛を除去
- かきむしってできた傷はとびひ(感染)に発展しやすい。爪を短く保ち、傷口を清潔に
- 「顔が腫れる・息苦しい・ぐったり」はアナフィラキシーの可能性→直ちに119番
外遊びの季節になると、子どもの虫刺されに悩む保護者が一気に増えます。「蚊に刺されたら市販のかゆみ止めだけでいい?」「ハチに刺されたらどうすれば?」「毛虫に触れてしまった」——外来でもよく受ける質問です。
虫の種類によって対応が大きく異なるため、正しい知識を持っておくことが大切です。
蚊・アブに刺されたとき
基本の対処
蚊に刺された直後の「かゆい・赤い・腫れた」は、蚊の唾液成分に対するアレルギー反応です。
- 刺された部位を流水で洗う(唾液成分を除去)
- 冷やす(氷・保冷剤をタオルに包んで当てる。直接は当てない)
- かかない(かくと炎症が広がり、二次感染につながる)
- ステロイド外用薬を塗る(市販の虫刺されクリーム「ムヒ」「キンカン」等、またはOTC弱〜中強度ステロイド)
かきむしりを防ぐ工夫
子どもはかゆみで我慢できずかきむしってしまいがちです。
- 爪を短く切る(爪が長いと傷が深くなり感染しやすい)
- 冷やす(患部を冷やすとかゆみが一時的に和らぐ)
- 絆創膏を貼る(物理的にかけないようにする)
「ストロフルス」に注意
特に幼い子どもで、蚊に刺された部位が大きく腫れ(3〜5cm)・水疱が形成されることがあります。これは「ストロフルス(丘疹状蕁麻疹)」と呼ばれ、過剰なアレルギー反応です。ステロイド外用薬で対処しながら、繰り返す場合は皮膚科・小児科に相談してください。
ハチに刺されたとき
一般的な対応
ハチに刺されたら、まず刺し口を確認し、針が残っている場合はカードなどで横にかき出すように除去します。(ピンセットで絞ると毒が押し出されてしまうため避ける)
- 刺し口から遠ざかる(ハチは同じ場所に複数いることが多い)
- 残った針をカード等でかき出す
- 流水で十分に洗浄する
- 冷やす(炎症・腫れを抑える)
- 刺された部分が腫れ・痛みがあれば皮膚科・小児科へ
アナフィラキシーの見分け方と対応
以下のいずれかが刺されてから30分以内に出た場合は、アナフィラキシーの可能性があります。直ちに119番に連絡してください。- 全身の蕁麻疹・発赤
- 顔・唇・舌の腫れ
- 息苦しい・ゼーゼーする・声がかすれる
- 嘔吐・腹痛
- ぐったりして意識が薄れる
エピペン処方者(ハチアレルギーの診断がある子)は刺された直後に自己注射し、直ちに119番。
📋 エビデンス
日本アレルギー学会によると、ハチ刺されによるアナフィラキシーは初回より2回目以降に起こりやすいとされています。過去にハチに刺されて症状が出たことがある場合は、必ず小児科・アレルギー科で評価を受け、エピペンの処方について相談してください。
出典: 日本アレルギー学会「ハチ刺されアレルギー」 ↗毛虫に触れたとき
毛虫皮膚炎の対処
チャドクガ・ドクガなどの毛虫の毛(毒針毛)が皮膚に刺さると、激しいかゆみ・赤い発疹が生じます。
絶対にやってはいけないこと:
- 触れた部位をこする・なでる(毒針毛が奥に入る・広がる)
- 水で流す前に衣類を脱がせる(脱いだ衣類で広がることがある)
正しい対処手順:
- 流水で洗い流す(やさしく、こすらずに)
- 粘着テープ(ガムテープ等)を患部にあて、剥がすを繰り返して毛を除去
- ステロイド外用薬を塗る
- かゆみがひどい場合は抗ヒスタミン薬(内服)を使用
- 症状が強い・広範囲の場合は皮膚科へ
かきむしり傷からのとびひ予防
虫刺されの傷をかきむしると、皮膚の表面に黄色ブドウ球菌や溶連菌が感染し、とびひ(伝染性膿痂疹)に発展することがあります。夏のプール・汗で皮膚が湿った状態のときは特に起きやすい。
とびひの早期サイン:
- かきむしった部位が黄色っぽいかさぶた・液が出てきた
- 周囲に急速に広がっている
- 他の皮膚に似た病変が出てきた
かきむしり傷の保湿ケア: 傷が回復してきたら、保湿剤でしっかりケアすると皮膚バリアを回復させる助けになります。
まとめ
- 蚊刺されは「かかない・冷やす・ステロイド外用薬」が基本
- ハチに刺されたら針を除去→流水洗浄→冷却。アナフィラキシー症状が出たら即119番
- 毛虫は触れない・こすらない。粘着テープで毛を除去→流水洗浄→ステロイド外用薬
- かきむしり傷はとびひへ発展しやすい。爪を短く保ち傷口を清潔に
- 傷が癒えたら保湿ケアでバリア回復を助ける
医師確認済み
ラボの小児科医(小児科専門医・アレルギー専門医)が「全文」を確認 (2026/5/6)
あわせて読みたい
医師確認済み
ラボの小児科医(日本小児科学会 小児科専門医・日本アレルギー学会 アレルギー専門医)が「全文」を確認 (2026/5/6)
関連記事

赤ちゃんの日焼け止めの選び方ガイド|SPF・PA・成分の読み方から年齢別おすすめまで
赤ちゃん・子どもの日焼け止めの選び方を小児科専門医が解説。紫外線対策の重要性、SPF・PAの読み方、紫外線吸収剤と散乱剤の違い、年齢別の選び…

紫外線吸収剤と散乱剤の違いを小児科医が解説|子どもへの安全性と選び方
紫外線吸収剤(ケミカル)と散乱剤(ノンケミカル)の違い、子どもへの安全性について小児科専門医が解説。なぜ赤ちゃんにはノンケミカルが推奨される…

発達グレーゾーンと療育 — 診断がなくても受けられる、診断前から動ける話
「診断が出るまで療育は受けられない」は誤解です。通所受給者証は医師の意見書で取得でき、診断名は必須ではありません。小児科専門医が、診断待ちで…
ラボの小児科医
小児科専門医・アレルギー専門医
専門領域
「日々の外来で保護者から寄せられる疑問をもとに、ガイドラインと実臨床の両面から解説しています。」
小児科専門医・アレルギー専門医。二児の父。診療ガイドラインと論文に基づく医療解説と、親として本当に使ってよかった用品レビューを発信。
当サイトはアフィリエイト広告を掲載しています。詳しくは広告についてをご覧ください。