子どもの中耳炎 — 耳だれ・耳かきで気づく症状と対処法
この記事の目次
まず知っておきたい結論
子どもの中耳炎は、親にとってよくある悩みです。特に3歳以下は、風邪の後に中耳炎を合併することが珍しくありません。
早期発見と適切な治療で、ほぼすべての中耳炎は治癒します。ただし、放置すると聴力低下や難聴のリスクがあるため、症状に気づいたら医師の診察を受けることが重要です。
中耳炎とは
発症のメカニズム
中耳は、鼓膜の奥にある空洞です。ここに液体が溜まるのが中耳炎。原因の多くは、風邪による鼻やのどの炎症です。
具体的には、鼻と耳をつなぐ『耳管』という細い通路が、風邪の炎症で腫れて詰まります。その結果、中耳に液体が溜まり、細菌が増殖しやすくなるわけです。
Xでも「風邪の後、子どもの耳から膿が出た」という投稿をよく見かけます。これは、詰まった耳管を通して、鼻からの細菌が中耳に侵入した典型的なパターンです。
なぜ子どもに多いのか
3歳以下の子どもの耳管は、成人より短く、角度が浅い特徴があります。そのため、鼻の炎症が耳に波及しやすいんです。
成長とともに耳管は長くなり、角度も深くなるため、中耳炎のリスクは自動的に低下します。つまり、幼い時期の中耳炎は、成長的には避けられない面があるわけです。
症状の見分け方
典型的な兆候
風邪から3〜7日後に、以下の症状が出ることが多いです。
耳関連の症状:
- 耳をよく触る、かく
- 耳だれ(膿が出ている)
- 耳が聞こえにくい(本人が「ママの声が聞こえない」と言うことも)
全身症状:
- 再び発熱する(または発熱が続く)
- 不機嫌、睡眠不足
- 食事を嫌がる(耳の痛みが増すことがあるため)
外来でも、親からは「耳をよく触るので、中耳炎だと思った」という報告が多いです。これは、耳の中の圧力上昇や痛みを、子どもが無意識に触って和らげようとしているのです。
耳だれが出たら
耳だれ(黄色や白い膿が耳から出ている)が見えたら、鼓膜に穴が開いている可能性が高いです。これは医学的には高度な症状ですが、膿が逃げ場を得た状態でもあるため、その後、症状が楽になることが多いです。
ただし、自然に任せてはいけません。医師の診察で確認し、抗生物質治療を受けることが重要です。
自宅ケアのポイント
医学的治療が基本
中耳炎は自宅ケアだけでは治せません。医師の診察が必須です。ただし、医療機関に行くまでの間、または治療中の対症ケアとして以下が役立ちます。
痛みへの対処: 38℃以上の発熱や耳の痛みがあれば、アセトアミノフェンやイブプロフェンの小児用解熱・鎮痛薬を使用できます。ただし、医師の指示に従ってください。
耳の湿度管理: 耳に水が入らないよう注意(シャワーや入浴時)。入ってしまった場合は、清潔な脱脂綿で優しく拭き取ります。
姿勢: 患側を下にしないよう、抱き方に工夫をする。患側を上にして寝かせると、耳の圧力が軽くなり、不快感が減ることがあります。
鼻のケア
中耳炎の予防と治療には、鼻づまりを解消することが重要です。鼻汁が奥に溜まると、耳管が詰まりやすくなります。
鼻吸引器を使用して、こまめに鼻汁を吸い出すことが有効です。入浴時に湯気を吸わせるのも、鼻の通りを良くするのに役立ちます。
医学的な治療選択肢
急性中耳炎の治療
医師の診察後、以下の治療が行われます。
| 治療方法 | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| 抗生物質内服薬 | アモキシシリン等(細菌感染に対して) | 7〜10日 |
| 鎮痛薬 | アセトアミノフェン、イブプロフェン | 症状緩和まで |
| 鼻汁吸引・ネブライザー | 鼻の通りを良くする | 医師指示 |
| 耳の処置(耳だれがある場合) | 耳の洗浄、膿の吸引 | 医師指示 |
鼓膜切開(鼓膜チューブ): 膿が溜まり続け、自然に穴が開かない場合、医師が小さな切開をして膿を出すことがあります。これは緊急時の処置で、多くの場合は行われません。
滲出性中耳炎(長引く場合)
治療後も液体が中耳に溜まったままの場合を滲出性中耳炎と呼びます。聴力低下の原因になるため、定期的な経過観察が必要です。
医師の判断で、数週間から数ヶ月の観察後も改善しない場合、鼓膜チューブ挿入術が検討されます。
いつ医師に相談すべき?
- 風邪から3日以上経っても、熱が続いている
- 耳をよく触る、かく
- 耳だれが出ている
- 耳が聞こえにくい兆候(テレビの音量が大きい、呼びかけに反応しない等)
- 耳の痛みで寝られない
これらのいずれかに当てはまれば、医師の診察を受けてください。
よくある質問
Q1: 抗生物質は何日間飲む必要があります?
A: 通常7〜10日間。症状が良くなっても、指定された期間まで飲み続けることが重要。途中で止めると、再発や耐性菌出現のリスクが高まります。
Q2: 中耳炎は何度もかかりますか?
A: はい。中耳炎経験者は、再度かかるリスクがあります。特に風邪を引いた後の鼻汁管理が重要です。
Q3: 中耳炎で難聴になることはありますか?
A: 急性中耳炎では、一時的な聴力低下はありますが、多くは治療後に回復します。ただし、滲出性中耳炎が長く続くと、聴力検査で異常が見つかることがあります。これが理由で、医師は定期的な経過観察をすすめるのです。
まとめ
子どもの中耳炎は親にとって予測が難しい病気です。ですが、早期発見と適切な治療で、ほぼすべてが治癒する点が重要です。
風邪の後、耳をよく触る、耳だれが出ている——これらの兆候を見落とさず、医師に相談してください。
医師確認済み
labo-pediatricianが「全文」を確認 (2026/5/19)
最終更新: 2026年5月19日
参考資料:
- 日本小児科学会. 耳疾患診療ガイドライン. https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/
- 厚生労働省. e-ヘルスネット 中耳炎. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
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